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ムーミン家長

Author:ムーミン家長
どこにでもいるごく普通のムーミン似のお父さん。スナフキン似の妻とノンノン似の娘たちと暮らしている。
人生を折り返したある日、家族平和こそが世界平和へつながる原点だと確信。ムーミン家の長として、世界平和に貢献すべく週末シェフを務めることに。

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オリーブオイルのエピソード(2)
以前、“オリーブオイル” という記事で、オリーブオイルにまつわる2つの印象深い話を紹介すると書いた。今回は最終回、“イタロプロバンス ダイニング” というレストランで食事をした時のことを紹介する。

田舎から上京して来た両親と家長ら家族とで一緒に夕食をとったときのこと。

赤坂のホテルの36階にイタロプロバンス・ダイニングというレストランがあった(もう閉店してしまったが)。イタロプロバンスとは北部イタリアと南フランスのプロバンスを含む地域のことを言っているらしく、要はフレンチ-イタリアン(或いはイタリアン-フレンチ)のレストランということを表したかったようだ。夜景が望める個室に通され、とてもリッチな気分になりかけたのだが、ルームスタッフの男性が気になった。

愛想はいい。親切そうでもある。しかし、軽い。責任ある立場の人間のようだが、ため口?と思うような喋り方をする。どうも家長たちをお上りさんの集団と思っているふしがあった(両親はとても立派なお上りさんであったが)。

この日、家長の父はお腹の調子が悪かったので、まずはそれについて相談した。コースを予約していたが何か消化のいいものを出してもらいたいと言うと、リゾットにしようと即答された。リゾットというのはイタリアのお粥だからというのが理由だったが、その説明にがっかりした。ここはホテルのメインダイニングでは無かったか?

リゾットは本来アルデンテに仕上げるもので日本のお粥のように柔らかくはしない。お米は洗わないし、オリーブオイルやチーズも使う。そのままでは本当にお腹にいいのか疑問だ。もちろん調理を少し工夫してくれるのだろうとは思うのだが、こちらが何も知らないと思っているのは間違いなかった。

突っ込みを入れて楽しいひとときを乱すは本意ではない。まっ、いっか‥ と信頼してリゾットを出してもらうことにした。

しかしまたすぐに首を傾げた。パンが出て来た時のこと。バターの代わりにオリーブオイルが出て来たのだが、これが美味しかった。それで『これはどこのオリーブオイルですか?』と尋ねてみた。給仕の女性は意味が分らなかったようで、お待ち下さいと行ったまま奥に引っ込んでしまった。しばらくして戻ってきたが、その答えは『イタリアのオイルです』だった。家長は目が点になった。

イタリア製だからといってイタリア産オリーブを使っているとは限らない。ギリシャやスペインから輸入したオリーブを原料にしているところだってある。“イタリアのオイル” が何を意味するのは全く分らなかったが、それ以上訊くのを止めた。いや、ココは訊いてはいけないところなのだと思った。

家長が以前紹介した『人気のイタリアン―完全保存版 (2) (別冊家庭画報) 』には競演した10人のシェフがそれぞれにこだわるオリーブオイルが紹介されておりイタリアンのシェフというのはそういうものなのだと勝手に思い込んでいたのがいけなかったかも知れない。

そしてまた、リゾット君がやってくれた。

コースも終盤にさしかかったとき、次は鴨のローストだと予告された。そして娘に向かって『鴨って食べたことがある?』と満面の笑みで問いかけたのだ。明らかに 『食べたこと無いよね?』 という確認だった。そこまで言われれば黙っている訳にはいかない。娘が、少し考えてから『食べたことあります』と答えたのを逃さなかった(たぶん蕎麦屋で食べた鴨南蛮を思い出したのだろう)。家長はすかさず『トゥールダルジャンの鴨のローストは美味しかったよねぇ〜』と口を挟んだのだった。ミスターリゾットはかなりビックリしたようで微笑んだまま奥へ入るとその後出て来ても余計なことはしゃべらなくなっていた。

イタリアンレストランに入ったとき、そのお店を知ろうと思ったらオリーブオイルについて訊くのがいいかも知れない。どんな高級なものを使っているかではなく、どれだけ誠実に(正直に)答えてくれるかが重要のように思う。

たまたまではあるが家長は実際にトゥールダルジャン東京へ行ったことがある。嘘はついていないので念のため。
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| 23:47:43 | トラックバック(0) | コメント(0)
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