2016-04-10 Sun
3年ぶりに押入れのワインを開ける会を開いた。
あれから3度の夏を過ごしたがなんと暑かったことか!また冬は2度を過ごしたがこれはとても寒かった‥
ワインセラーを持たない(というか買う気がない)家長は慌ててワインショップの主人に相談したのだが、意外と床下がいいですよという一言に喰いついてそちらに移動したのだった。それで会も『押入れの床下に移したワインを開ける会』へ改名した。
それでは床下へ移して安心かというと、そうではない。盛夏には「本当に大丈夫だろうか‥」と心配になり床板を取り外して顔を突っ込んでしまうし、最低気温に零下の予報が出た日にはワインが凍ってしまうことはないだろうかとまた床板を取ってみるのだが、ヘビさんが冬眠場所にしてはいないかとかなり緊張した。
そんな苦難を乗り越えて気のおけない仲間と再会できたのは大変嬉しいことだった。練習の甲斐あって料理も予定通り出すことができたし、皆さんからも美味しい差し入れや花束までいただいてとても賑やかで楽しいひとときとなった。
ワインはと言うと、まずシャンパンで乾杯。次にムルソー、そしてシャサーニュ・モンラッシェ、赤はソレンゴというイタリアはトスカーナのスーパーIGT、最後はシチリアのデザートワインという順番。全て和吉グラスでいただいた。
ムルソーはグラスに注ぐと金色がかっていて、あちこちから「きれい!」という声がした。家長もきれいな色だなぁと思いつつ、「試飲会で飲んだ時はこんな色だったっけなぁ‥ 床下のヘビの祟りじゃないかあ(ヘビは居ません!)」と不安になる。
しかし、そのまろやかで優雅な香りと味わいにそんな懸念も吹き飛んだ。一方、モンラッシェの方は無色透明だった(ヘビは関係なかった)が、これはまたムルソーとは異なるいいバランスで場の雰囲気を和ませ皆を饒舌にするものだった。
これらのために練習しておいた帆立貝ときのこのキッシュと鶏もも肉のクリーム煮も好評だった(本当にホッとした)。家長にとってはこちらの方が気になってワインの味はよく覚えていない ^^;
学生時代はザルとかワクとか言われていた酒豪ばかりだったので、赤はメディアムからフルボディへと何本か考えていたのだが、もうあまり飲めないということで、最後はソレンゴという名のイタリアの濃いワインを開けることにした。
これに合わせてラムの骨つきばら肉をローストした。写真を撮り忘れて残念なのだが、これがすごく好評だった。
デザートは何とかの一つ覚えでティラミスを作っておいたのでシチリアのデザートワインと一緒にいただいた。
これは摘み取ったブドウ(このワインの場合はマスカット)を陰干しにして水分を飛ばすことで糖度の高い果汁を得て発酵させる方法で作ったもの。ティラミスとの組みあわせが良かったかどうかは(それまでのワインでいい気分になっていて)よく覚えていないが、このワイン自体はとても美味しかった。
デザートワインにしてはお手頃なので機会があれば是非飲んでみていただきたい。

懐かしい顔が集まってワイワイやりながら美味しいワインと食事をいただくことができるとは何という幸せだろうか♪
この日の実現のためにたくさん協力してもらった妻にも感謝、感謝!
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2013-05-04 Sat

『押入れのワインを開ける会』を開くことになり、改めて買いためたものを確認した時のこと。
軽いものから重いものへ順番に並べてみようとしたら、並ばない‥ 白も赤も個性的ものばかりで横一列になってしまった。赤は全てフルボディ‥
これではどんな料理を出せばいいのか分らない(そうでなくても分らないのに)。
仕方ないので本屋の料理コーナーへヒントを探しに行ったのだが、そこで手にしたのが(前に書いた)『おつまみワイン亭』(池田書店)という本だった。
“重赤ワイン” という章をパラパラとめくってみる。するとポテトサラダの写真に出くわした。こんなものがフルボディに合うのかと思ったが、ブルーチーズを和えると知りとても興味が湧く。
本と一緒にイタリア産ブルーチーズ(ゴルゴンゾーラ)を買って帰りさっそく作ってみたのだが、妻や娘たちにも大好評だった。それでパーティーメニューに加えることにし、当日も皆さんに喜んで頂いた。
本でのタイトルは『ブルーチーズのポテトサラダ』で、特に青カビのチーズの銘柄をあげていないのだが、家長のおすすめは “ゴルゴンゾーラ” だ。
ゴルゴンゾーラは三大ブルーチーズの中の1つで最もクリーミーなタイプ。小さく切って温かいポテトサラダに和えると溶けて全体によく絡む。ピリッとした大人好みのピカンテと甘くて子供でも食べ易いドルチェの2種類があるので、使い勝手がいい。
チーズが嫌いでなければ是非お試しを。
ちなみに三大ブルーチーズとはイタリアのゴルゴンゾーラとイングランドのスティルトン、フランスのロックフォールのこと。いったい誰がこれらを “三大” と決めたのかは分らない。
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2013-04-14 Sun
イタリアワインに興味を持ち、昨年から試飲会に顔を出すようになった。そして美味しい と思うものがあれば1本とか2本買って帰る。何杯も飲んでいい気分になっているのと試飲特価が付いているので、正気ならば手を出さないレベルのものもつい買ってしまう。目隠しをして清水の舞台から飛び降りているようなものだ‥
もちろんその根っこには、この美味しさを家族皆で共有したいという強い気持ちがある(いや、ホントですって)。
ところが酔いが醒めると我が家にはまだ未成年がいることに気付き、彼女が二十歳になるまでコルクを抜くのは待とうと決心する。その結果、我が家ではワインが少しずつ押入れの中で増殖して行くったのだった。
そして、先日、ついに娘が成人したので二十歳のお祝いを兼ねて『押入れのワインを開ける(空ける)会』を催すことになった。
学生時代から親交がありお酒も強い友人4人を招き、総勢8人で会は始まった。
まずは、イタリア北部、トレンティーノ=アルト・アディジェ州の白ワインを開けて乾杯。ゲヴュルツ・トラミネール品種100%で、ライチの香りが心地良いやや辛口。凝縮感のあるとても美味しいワインだ。

▲エステ・ノイエ(Erste+Neue)という生産者のプンタイ ゲヴュルツ・トラミネール(Puntay Gewürztraminer)2008。プンタイというのは最高級ラインの名前。
食事のメニューは以下の通り。
前菜:生ハムと生クリームのペースト
豚バラ肉のリエット
カポナータ
ゴルゴンゾーラのポテトサラダ
鶏レバーと砂肝の炒め煮
イワシのエスカベッシュ
魚料理:イワシのベッカフィーコ
あさりのワイン蒸し
パスタ:ラム挽肉ラグーのラザニア
肉料理:牛肉の粉チーズ包みのトマト煮
デザート:ティラミス

▲前菜の写真。上の方から鶏レバーと砂肝の炒め煮、ゴルゴンゾーラのポテトサラダ、カポナータ、豚バラ肉のリエット、生ハムと生クリームのペースト。一番下のお皿の中にあるのはさいの目に切ったゴルゴンソーラとグラナ・パダーノ(ハードチーズ)のスライス。その右側の棒状のものはグリッシーニ。

▲最初の温かい一品は簡単で豪華(そうに)見えるイワシのベッカフィーコ。ワインはトスカーナ州はサンファヴィアーノ・カルチナイア(San Fabiano Calcinaia)という生産者のチェルビオーロ・ビアンコ(Cerviolo Bianco)を開ける。ブドウ品種はシャルドネを主体にし、ソーヴィニヨン・ブランが少し加えられている。1997年のもの(16年も経っているもの)だからだろう、グラスに注いでみると黄金色をしていた。驚くほどまろやかで、これが本当に白ワイン?という感じ。

▲二番目の温かいお皿は今では家長の得意料理となってしまったラザニア。今回はラム挽肉のミートソースを使ってみた。これに合わせて開けたのがエミリア=ロマーニャ州はラ・マンチーナ(La Mancina)という生産者のタレア(Talea)2007。ピニョレット(ブドウ品種)100%の白ワインで年間生産量が1500本というレアなもの。ミネラルが豊富でボリューム感のある辛口タイプなので、なかなかいい取り合わせだったと思う。

▲最期の温かい一皿は牛肉の粉チーズ包みのトマト煮。これと一緒に開けたのがサンファビアーノ・カルチナイアのキャンティ・クラシコ リゼルヴァ (Chianti Classico Riserva)、チェッロレ(Cellole)2006。煮詰めたようなフルーツの香りに繊細なタンニン。『これは美味しい!』と誰もが唸るに違いない逸品。キャンティ・クラシコはこれ以上を求める必要がないというくらいの美味しさだと思った。

▲デザートは家長が唯一作ることができるドルチェで、家族や娘の友だちにも好評のティラミス。これと一緒に頂いたのがトレンティーノ=アルト・アディジェ州はケラーライ・トラミン(Kellerei Tramin)のテルミヌム(Terminum)というデザートワイン。ビンテージは2008年。ブドウ品種は最初に飲んだプンタイと同じゲヴュツル・トラミネールでライチの香りが心地よい。熟した果実の凝縮された甘味はまるで蜂蜜のようだが酸味とのバランスも良い珠玉の逸品だと思った。
たくさん食べてたくさん飲んで、たくさん笑って大いに楽しんだ。娘は皆さんからお祝いの言葉とプレゼントをもらい、正にこの日の主役であった。ワインは5本を空けることができたし(7本用意していたが)、料理は美味しいと言ってもらって嬉しいかぎりだ。また、是非、こういう会を開きたいと思う。
しかし、この会は妻のサポート無しに開くことはできなかった。
心から感謝しつつ、次回もご協力お願いしますね。